置き配とは?
「置き配(おきはい)」は、宅配便の受け取りかたの一つで、「玄関ドアの前」や「ガスメーターボックス」など、あらかじめ指定しておいた置き場所に荷物を置いてもらうことで受け取る方法です。
配送員から手渡しで受け取るのではなく、単に置いてもらうだけです。指定場所に荷物を置くことで配達完了の扱いとなるため、サインや押印は行いません。
手渡しで荷物を受け取る方法とくらべると、随分と「ルーズな」受け取りかたなんです。
宅配業者からすれば、再配達の発生を抑えられるメリットがあり、
また、受け取る側からしてみても、受け取る時間を気にする必要がなく、配送員と対面せず気楽に受け取れるメリットがあります。
この置き配が、荷物の受け取りかたの新しい選択肢として注目されています。
※この記事は、2019年4月時点の情報をもとに記述しています。各社の置き配対応状況などは変更されている可能性がありますのでご了承ください。
目次
置き配が注目されるようになった背景
実はこの置き配の配送スタイルは、アメリカでは一般的に行われています。
また、日本でも前例がないわけではなく、ファンケルが日本郵便と連携し、化粧品や健康食品などを置き場所を指定して配達してもらえるサービスを以前から行っています。
しかし、最近になり、この「置き配」という言葉が注目を集めるようになりました。
そのきっかけとなったのは、「宅配事業とEC事業の生産性向上連絡会」です。
「宅配事業とEC事業の生産性向上連絡会」と置き配
現在、一つの社会問題となっているのが、宅配便の問題です。
ネット通販で買い物をすることが日常的になり、宅配便の個数は増え続けています。
それに伴い、宅配業者のドライバーの負担が増え、労働力不足が深刻化しています。
この状況を改善するため、2018年に、
- 宅配事業者(ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便など)
- EC事業者(Amazon、楽天など)
- 国(経済産業省、国土交通省、環境省)
の三者が、「宅配事業とEC事業の生産性向上連絡会」を設置しました。
そこで議論され、今後進めていくことになったのが、「宅配物の受け取り方法の多様化」です。
宅配物を受け取る方法・選択肢を増やし、利用者が受け取りやすい仕組みを作っていこう、ということです。
その選択肢の一つとして「置き配」が取り上げられ、議論のとりまとめ文書の中にも「置き配」が明記されています。
詳しくは、こちらのPDFファイルをご覧ください。
宅配の再配達の削減に向けた受け取り方法の多様化の促進等に関する検討会報告書(PDF)
今後、置き配などの多様な受け取り方のサービスを推進していこう、という大きな流れがあるのです。
実際に、置き配のサービスは広がりを見せています。
2019年3月18日より、日本郵便が置き配のサービスである「指定場所配達サービス」を開始しました。(利用には事前に手続きが必要)
今後、この配送方法が根付いていくのかが注目されています。
置き配に対応しているサービスは?
宅配業者
日本郵便
宅配業者として明確に置き配指定に対応しているのは、現在のところ日本郵便のみです。
受取人が不在の場合に、あらかじめ指定した場所に荷物を置いておく「指定場所配達サービス」です。
利用するには事前に手続きが必要です。詳しくは日本郵便のこちらのページをご覧ください。
大手ECサイト
Amazon
置き配のサービス対象エリア内であれば、Amazon.co.jpが発送し、一部のデリバリープロバイダが配送する場合に置き配指定が可能です。
サービス内容や、サービス対象エリアについて詳しくはこちらをご覧ください。
また、置き配指定の設定方法についてはこちらをご覧ください。
楽天
Rakuten EXPRESSでの配送では置き配に対応しています。
詳しくはこちらをご覧ください。
置き配を利用する上でのリスク
置き配は、配達物を置きっぱなしにすることになるため、様々なリスクが考えられます。
- 盗難されるリスク
- 荷物が雨にさらされる可能性がある
- 留守であることがわかりやすくなり空き巣に狙われやすくなる
置き配の荷物の置き場所は、こうしたリスクが発生しにくい場所を選ぶべきでしょう。
置き配バッグ
置き配用に作られた、置き配バッグ「OKIPPA」がYPER(イーパー)から発売されています。
ドアノブなどにバッグを吊り下げておき、宅配業者はバッグに荷物を入れて開け口を鍵でロックします。
専用のアプリで配送状況が確認できるほか、万が一荷物の盗難があった場合に最大3万円の補償が受けられるプランもあります。
OKIPPAについて詳しくはこちらのOKIPPA公式サイトをご覧ください。
置き配には課題もありますが、うまく利用することができればとても便利な配送方法です。
今後、置き配に対応するサービスが次第に増えていくと予想され、普及していくかどうかが注目されるところです。
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